リノベーション外装基準

美しさだけではない、外装性能の基準。(配点 16 / 160)

建物を守る
最前線としての「外装」

リノベーションにおいて、外装は単なる「見た目」の話ではありません。外装とは、雨・風・紫外線・温度変化など、過酷な自然環境から建物を守るための“最前線”です。

どれだけ断熱性能や耐震性能を高めても、外装が適切に機能していなければ、その性能を長く維持することはできません。つまり外装は、建物の耐久性・快適性・維持管理性を支える、非常に重要な要素なのです。

また、外装の劣化は、必ずしも雨漏りのように分かりやすく現れるとは限りません。
・シーリングの劣化
・防水層の破断
・外壁材の微細なひび割れ
・部材の取り合い部の施工不良
こうした小さな不具合から、気づかないうちに水分が建物内部へ侵入していきます。その結果、
・断熱材の性能低下
・構造材の含水・腐朽
・金物の錆
・結露リスクの増加
といった問題を引き起こし、建物の寿命を静かに縮めていくのです。

外装の傷みに影響する要素

建物には、傷みやすいものとそうでないものがあります。それは、外装材そのものの耐久性によるもののみならず、地震時に歪みやすい建物形状や、雨漏りリスクの高い屋根の納まりなども挙げられます。

それらの特徴は、結果的に外装の破損やひび割れ、剥落などを助長し、建物の寿命を縮める一因となるのです。

<屋根形状>

屋根形状においては、雨水が素直に流れる切妻形の屋根を最良のものとして、雨仕舞いリスクがやや高まる片流れ屋根、寄棟屋根、招き屋根がそれに続きます。

雨仕舞いや水の流れが悪い入母屋屋根、陸屋根、また軒のない(軒ゼロ)建物はリスクが高いものとして、当会では評価していません。

<断面形状>

また、建物を横から見た際の断面形状も重要です。平屋や総二階のように、地震力が素直に伝わるシンプルなかたちであればよいのですが、一階の上に小さな二階部分が載ったり、逆に一階の方が小さかったりすると、建物が揺れた際に地震力が複雑に働き、建物にねじれの力がかかりやすくなったりします。

一階と二階で建物の外壁面(耐力壁)が連続しないケースは、建物の歪みやすさの観点から最もリスクが高く、そのような場合は加点対象となりません。

<平面バランス形状>

建物を上から見た際の平面バランス形状も併せて確認が必要です。シンプルな長方形が最も優れており、それに次いで長方形を組み合わせたL字型がよいでしょう。

コの字型や、ロの字型、それ以外の奇抜な形状は、地震力の伝わりが複雑になるため、建物の歪みが生じやすいと言わざるを得ません。

<バルコニー形状>

見落とされがちですが、バルコニーのつくり方によっても、建物の傷みやすさは大きく変わります。そもそもバルコニーを設けない、あるいは建物本体とは切り離して後付けする形式であれば、雨漏りリスクは比較的抑えやすくなります。

一方で、建物の平面計画に組み込まれたバルコニーは注意が必要です。特に、笠木や床面の防水処理は経年劣化しやすいにも関わらず、メンテナンスが見落とされがち。その結果、多くの住宅で雨漏りの原因箇所となっています。

また、1階の居室の上にバルコニーが載る構成の場合、漏水した際の被害も大きくなりやすく、建物内部の腐朽や断熱性能低下へつながるケースも少なくありません。

<劣化事象>

建物の傷みは、専門的な調査だけでなく、目視によってある程度確認することも可能です。屋根、軒天、庇、樋、外壁、バルコニー、サッシ、内装、構造材などにおいて、破損/ズレ/ひび割れ/変色/雨漏り跡といった劣化がないかを確認することで、建物の状態をある程度把握することができます。

リノベーションみらつぐ基準では、「外装」項目において、
・屋根形状
・断面形状
・平面バランス形状
・バルコニー形状
・劣化事象
という5つの観点から、建物の劣化リスクを評価しています。これは単に「今、傷んでいるか」を見るだけではありません。建物が将来的にどれだけ劣化しやすい構造なのか、その“傷みやすさ”まで含めて評価するための指標です。

屋根形状 0〜2点
断面形状 0〜2点
平面バランス形状 0〜2点
バルコニー形状 0〜1点
劣化事象 0〜16点

リノベーションみらつぐ基準