
新築を建て続ける時代から、
今の住まいを永く
使い続ける時代。
リノベーションは、これからの住まいづくりに欠かせない選択肢となりました。一方で、その言葉が広まるほど、内容や水準は事業者ごとにばらつきが生まれ、見た目だけを整え、耐震性や断熱性、安全性といった住まいの根幹に十分手が入っていない改修も少なくありません。
住まいは、命や健康、資産価値、そして次世代へ受け継がれる大切な基盤です。その改修に「どこまでやるべきか」が曖昧であってよいはずがありません。私たちは専門家として、「最低限ここまでは守るべき」という共通の物差しを定めました。それはコスト競争のための基準ではなく、住まい手の安心と、住宅の将来価値を守るための基準です。
本会が定めるリノベーション最低基準は、単なる改修工事ではなく、「これからも住み続けられる住まい」へと再生するための指針です。
5つの評価システム
新築と違い、リノベーションの場合は既存の建物が存在します。建物の大きさや性能、傷み具合は一棟ごとに異なり、同じ性能を目指しても、かかる費用が大きく変わることは珍しくありません。
だからこそ、私たちのリノベーション基準には、いくつかのグレードを設けています。100年以上使い続けられる住まいへ「再生」する選択もあれば、終の住処として、これから十数年を安心して暮らすために「延命」する考え方もあります。
大切なのは、建物の状態と、住まい手の目的に合った性能向上を行うこと。そのために、リノベーションに必要な住宅性能を5つの項目に分けて評価したものが「リノベーションみらつぐ基準」です。これからリノベーションを検討される方は、ぜひ以下の内容をチェックしてみてください。
1.耐震性能
耐震性能は、リノベーションで最も優先すべき項目です。しかしどれほど快適で美しい住まいでも、大地震に耐えられなければ、その価値は一瞬で失われます。耐震は目に見えにくく、後から簡単に補えない性能だからこそ、間取りや内装に手を加える前に、建物全体の構造を把握し、必要な補強を行うことが重要です。耐震は「選ぶもの」ではなく、「必ず備える前提条件」です。
2.断熱性能
断熱性能は、室内の快適さだけでなく、冷暖房エネルギーや光熱費、そして健康にも大きく関わります。断熱が不足した住まいでは、冬は暖房しても足元が冷え、夏は冷房をかけても熱がこもりがち。その結果、エネルギー消費が増え、身体への負担も大きくなります。耐震という安全の土台の上に、暮らしを支える「体力」としての断熱性能を備えることが、欠かせません。
3.気密性能
気密性能は、断熱性能と必ずセットで考えるべき要素です。どれほど断熱材を入れても、隙間の多い住まいでは、本来の性能は発揮されません。隙間から空気が出入りすれば、熱も同時に逃げてしまいます。計画換気も成り立たず、室内空気の質にも悪影響を及ぼします。気密は、断熱を「実際に効く性能」へと変えるもの。断熱性能を正しく機能させるために欠かせない基盤です。
4.結露対策
断熱・気密性能を高めるほど、結露対策の重要性は増していきます。設計や施工が不十分なまま高性能化すると、壁の中や床下で結露が発生し、構造材の腐朽やカビの原因になります。これは建物の耐久性を損なうだけでなく、住まい手の健康にも影響します。結露対策は、性能向上リノベーションの「安全装置」。高性能化と必ずセットで考えるべき視点です。
5.外装
外装は、雨・風・紫外線といった厳しい自然環境から、建物全体を守る役割を担っています。どれほど内部性能を高めても、外装の劣化や防水性能の低下を放置すれば、雨水の侵入によって構造材や断熱材が傷んでしまいます。外装は「見た目の問題」ではなく、これまで積み上げてきたすべての性能を、長く維持するための要です。
5つの項目の性能向上は、
順番を守ってこそ価値になる
リノベーションにおける建物性能は、単体で評価するものではありません。耐震 → 断熱 → 気密 → 結露対策 → 外装この順番を守り、下から丁寧に積み上げることで、初めて「安心・快適・長寿命な住まい」が実現します。本会では、この考え方を共通認識とし、リノベーションの最低基準を定めていきます。

下から積み上げていくことが重要。
リノベーション基準の評価ポイント配分も図の通りになっています。
リノベーションの性能評価指数の開発
既存住宅の“見えない部分”を整理し、性能向上リノベーションの到達レベルを客観的に示す「性能評価指数」を体系化しています。構造・耐震・断熱・気密・劣化状況といった住まいの根幹に関わる要素を総合的に評価し、現在の性能と、引き上げ可能な水準を明確にします。
- SS:その基準を言語化したテキスト
- S:その基準を言語化したテキスト
- A:その基準を言語化したテキスト
- B:その基準を言語化したテキスト
- C:その基準を言語化したテキスト
- D:その基準を言語化したテキスト
リノベーションだから可能な
二つの選択肢
1.環境性能評価
リノベーションは、今ある住まいの弱点や課題を整え、より良い状態へと引き上げる行為です。そのため「新築に比べて性能的に劣るのでは」と感じる方も少なくありません。しかし、環境という視点で見れば、リノベーションはむしろ評価されるべき選択肢だと言えます。
住宅を新築するには、建材を製造するためのエネルギー、運搬のためのエネルギー、さらに既存建物があれば解体や廃棄処理に多くのエネルギーが必要になります。一方、リノベーションでは、既存の構造材や屋根瓦などを活かすことで、これらの環境負荷を大きく抑えることができます。
こうした「壊さず、活かす」という価値は、現時点では十分に評価されていません。だからこそ私たちは、環境負荷の低減という視点も含めて住まいを評価するリノベーション基準を定めました。性能だけでなく、未来への責任までを見据えたリノベーションのあり方を示しています。
2.部分改修
耐震性や断熱性を本格的に高めようとすると、どうしても大きなコストがかかります。たとえば、高齢のご両親が施設に入るまで「あと数年、安全に住めればよい」といったケースもあるでしょう。そのような場合、当会ではリビングや寝室など主要な居室に限定して改修を行う「部分改修」という選択肢も提案しています。
建物全体の性能を引き上げることはできませんが、空間を区画して耐震性を高めたり、断熱改修によって快適性を確保したりすることは可能です。フルリノベーションと比べ、費用を抑えながら現実的な安心を得られる方法といえます。
※なお、部分改修は「リノベーションみらつぐ基準」の評価対象外となります。
建物の状態と
リノベーションコストを知る
リノベーションを検討するなら、まずは建物の状態をチェックするところから始めましょう。建物次第でリノベーションにかかるコストは大きく変わります。当会では、性能向上リノベーションにおけるコストとリターンを把握できるよう、試算ツールを開発・運用しています。(東海地域の気候風土条件に最適化されたものです)
リノベーションをお考えの方は、
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